しじみの育つ環境について分析

1.しじみはどのような環境で育つのか

しじみは古くから日本人には馴染みの深い食材で、北海道から九州まで広い地域で採ることができます。
この記事では、しじみがどのような環境で生息しているのか詳しく解説していきましょう。

2.しじみの生息する環境

しじみが生育できる環境は、水域や土の質、塩分や酸素の濃度で決まります。
それぞれについて見ていきましょう。

2-1.しじみの生息域

しじみは川の淡水が流れ込む湖や沼、汽水域(きすいいき)*に生息しています。
日本の在来種であるしじみは次のような3種類があり、それぞれ生息している場所が異なります。

  • ヤマトシジミ
  • マシジミ
  • セタシジミ

ヤマトシジミは日本で採れるしじみの9割を占め、ほとんどが淡水と海水が混じり合う汽水域に生息しています。
最大の産地は島根県の宍道湖で、栄養価の高い良質なしじみで有名です。
マシジミとセタシジミは、ヤマトシジミとは反対に海水の混ざらない淡水域に生息しています。
セタシジミは琵琶湖やその周辺の河川のみに生息する固有種です。
淡水域はプランクトンなどの栄養分を含まないため、マシジミやセタシジミはヤマトシジミに比べて栄養価はあまり期待できません。

2-2.生息できる土壌

しじみは水底の砂の中で生息しています。
水の流れによって移動するので、水がよく流れる場所を選びます。
また、水温が下がったり塩分濃度が変わったりしたときなど、すぐに土中に潜れるような土質であることが必要です。
そのため、粘土含有率が低く、有機物が少ない土質を好みます。
ヘドロや泥の多い場所では生息できません。
季節によって潜っている深さは異なります。
水温の高い夏期には水底の表層近くにいて、成長や産卵などを活発に行い、水温が低くなると殻の3倍ぐらいの深さまで潜って越冬、春に水温が上昇すると再び表層に移動するという活動を行っています。

2-3.塩分濃度

マシジミやセタシジミは塩分濃度がほとんどない淡水域に生息していますが、汽水域に生息するヤマトシジミは塩分濃度0.3~1.0%の範囲を好みます。
汽水域は時間帯や時期により塩分濃度が変化することがありますが、ヤマトシジミは淡水でも海水でも、周辺の塩分濃度に合わせて浸透圧を調整する機能があることがわかっています。
このような広い塩分耐性があることから、全国の汽水域で圧倒的に優位種となっているわけです。

2-4.酸素濃度

水中であっても、生息するには酸素が必要です。
しじみはエラで水中の酸素を体内に取り入れることで、呼吸しているので、溶存酸素量(水中に酸素が溶け込んでいる濃度)が十分ある環境が必要になります。
そのため、しじみが生息する深度は4mまでで、それより深くなると夏期に溶存酸素量が少なくなるため、生息できません。
溶存酸素量は水温や塩分、汚れの程度によって左右されます。
とくに汚染度が高いと酸素が多く消費され、酸素量が少なくなることに。
工業排水や生活排水などが流域の河川より湖に流入することで、窒素、リンなどの栄養成分に起因する植物プランクトンが大量に発生します。
その多くが水底に堆積してヘドロになり、バクテリアが分解するときに水中の酸素を消費し、酸素量を減らしてしまうのです。
このことから、しじみの資源を保つためには河川や湖の水質の浄化が取り組むべき課題とされています。

3.まとめ

しじみの生息する環境について、説明しました。
種類はいくつかありますが、流通しているしじみはほとんどがヤマトシジミです。
旬の時期はありますが、1年を通して収穫されています。
日本全国で生息しているしじみ、その環境はずっと維持していきたいものですね。

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